アドバイスの考察:何故、人はアドバイスを参考にしないのか?
今回から何回かにわけてアドバイスについての考察です。
先日あった出来事なのですが、以前から努力しているにも関わらず成績が振るっていない後輩が「オレ不器用〜」と愚痴っていました。
しかし、実は以前私は彼から学習方法についてアドバイスを求められており、彼の方法のコストパフォーマンスがあまり良くないこと、そして何故良くないのか、どうすれば良いのかを伝えていたのです。
なので、とうの昔にどうすれば良いのかを伝えたにも関わらずそれを参考にせず、成績不振を嘆き「オレ不器用〜」と言われれば、「うん、そう思う」と私が思わず言いかけるのも不思議ではないでしょう。
ただ、これはある意味私の問題です。具体的に言うと、相手が問題解決のための行動を実行させるだけのアドバイスを私は出来なかったのです。
せっかく私を頼ってもらったのに、それが結果的に相手の問題解決に繋がらなかったのはある意味お互い不幸です。
しかも、助けれない内容ならともかく、自分の知識と経験で十分に改善が見込める内容なら尚更です。
なので、冒頭にも書きましたが、どうすれば実際に相手の問題解決に繋がるアドバイスが出来るかについて今回から何回かにわけて考察します。
問題の解決を図るには、問題を正確に把握することが重要です。なのでまず今回の記事では、そもそもどうしてアドバイスを求めたにも関わらず参考にしないのか、を考察してみます。
・何故アドバイスを参考にしないのか?
−そもそも解決を本気では望んでいない
口でなんと言おうと、実際は話しを聞いてもらいたいだけだったり、それっぽいアドバイスを貰って解決した気になりたいだけだったりと、問題を解決するためにアドバイスを求めてない場合は結構あります。それを見分けることの大事さと見分け方について以前記事に書いたぐらいです。
相手の立場で考える"難しさ"、ハックしてみた - じょん's ノート
アドバイスを聞いて解決した気になりたがっているタイプの場合、積極的に聞いてくるのである意味厄介です。アドバイス聞きたがりと話したがりがマッチングすれば永久機関の完成ですが、壮大なる時間の浪費なので私は参加したくありません。
有名ブロガー、Chikirinさんもこのタイプについては「アドバイスくれくれ病」と名付け、指摘しています。
仕事や就活など、人生が上手くいかない時、やたらといろんな人にアドバイスを「くれくれ」言ってつきまとう病気です。
アドバイスがもらえると一時的に満足はするけれど、だからといって行動を起こすわけじゃないので、せっかくもらったアドバイスの効果も長続きせず、またすぐ別の人に「くれくれ」言い出します。
−内容を選り好みする
本気で解決を望んでいていも、アドバイスの内容が十分に素敵だと思えなければ実行には移さないでしょう。当然です。アドバイスに従うということは、自分の貴重な時間をチップに、他人のアイディアに賭けるということですから。
しかし、少なくない人がアドバイスを選り好みします。彼らは”効果のあるアドバイス”を望んでいるのではなく、”自分の聞きたいアドバイス”を望んでいます。
人によってはアイディアの好き嫌いがあり、効果云々以外の理由で気に入らない場合があります。日本人に多いなと思った傾向としては、勉強は辛いものじゃないとダメ、という趣向です。これは恐らく今まで受けてきた教育の影響だと思います。
例えば、一週間詰め込み勉強するより、一ヶ月英訳されたマンガ(ナルトとか)を楽しく読むほうがTOEIC対策としてはコスパが良いと言っても、実際にそれをする人もあまりいません。
他にも、理屈では良いと思っても過去の経験から良いと思えず、結局アドバイスを納得しないケースもあります。
−忘れる
問題を解決する気があり、選り好みもせず、しかしそれでもアドバイスが参考にケースがあります。それは役に立つ前に忘れられるケースです。
忘れるケースとしては主に、
聞いた時は感動したけど、すぐに忘れるパターン
やろうやろうとしばらく思ってるけど、実行する前に忘れるパターン
の2パターン(または混合)があると思います。
どちらにせよ、アドバイスの内容が長期記憶に保存されずに忘却の海に消えていってしまえば参考にするも何もありません。
残念なことに人は興味深いと思い、かつ理解している内容でもその多くを忘れていきます。
・今回のまとめ
−アドバイスを参考にしないのは主に3パターンの理由がある。
そもそも問題を解決する気がないので参考にしない。
解決する気があっても、効果の有無以外の理由で選り好みする。
解決を望んでいて選り好みをしなくても、実行する前に忘れる。