「英語を学ぶ」という考えに潜むトラップ
ここ数年、猫も杓子も「英語を学ぼう」「英語を学ぼう」と言っている気がしますが、若干暴走している気もします。
何故かというと、「英語」と一言に言っても、複数のスキルに分かれるからです。
・多様なスキル
英語ネイティブとして育った子供だって、いきなり新聞は読めません。
私達だって、日本語でも何の勉強もなしにはバリバリのビジネス文章は書けませんよね?
流石に私達は日本語のネイティブなので、意識しなくてもそれなりにこなせますが、第二言語として英語を学ぶならそうはいきません。
例えば、
- 英語のビジネス記事を読みたいなら、ビジネス系の語彙+読む力
- 英語圏の人とカジュアルな会話を楽しみたいなら、単語を聞き取る力+簡単な表現を色々言う力
- TOEIC上げたいなら、TOEIC系の語彙+素早く読む力+聴く力
- 英語ネイティブみたいになりたいなら、英語を母語として理解する力
と、目的によって必要になるスキルは違ってきます。
・目的は何か
何を目的にして、英語の何を学ぶのか。そこを意識せずにただ闇雲に学ぼうとするのは、クロールを泳げるようになりたいのに背泳ぎの練習をする羽目になるので、結構辛いです。
実際、「英語で外国の人と喋れるようになりたくて必死に文法の勉強をしているのですが、ついつい頭で考えるのに時間をかけてしまいます!」という人を何人か見ました。
英語で楽しくお喋りがしたいということなら、単語を聞き取る力+簡単な表現を色々言う力の優先順位が高いと思います(話す相手と内容にもよりますが)。
何故なら、大事なのは相手の言っていることのニュアンスが分かって、こちらの言いたいことのニュアンスが伝わればそれで楽しいお喋りはできます。
キレイな文法は優先順位は低いです。それより、DMM英会話で場数を踏むなり、シャドーイングで応用の効くフレーズをいくつか覚えるなりする方が重要です。
逆に、研究や仕事で英語を書くなど、細かな文法が重要になる場合もあります。
この様に、目的によって何を学ぶかは異なってくると思います。
終わりに
ちなみに、日本で英語が喋れる人は多くないですが、それは日本の英語教育が”喋れるようになる”ことを目的としていないからだと思います。
逆に言うと、目的を絞り、学習方法も絞って適切なものを選べば、今思われているほど英語は難しくないです。
たまに、ビジネスパーソンが英語を1年ぐらいで使えるようになったという話を聞きますが、それは言語の才能があったとかではなく、仕事で培った計画力を発揮させただけだと思います。